個性を形に

未来の屋根と建材を創造する会社ダイムワカイはみなさまのプロジェクトをサポートします。

株式会社黒田建築設計事務所


死者を見送り、安らかな眠りを祈る生者のための建築はかくあるべきか。斎場という特殊な施設であることを考慮し、背景となる里山と一体化する新たな風景を創出した「三木市立みきやま斎場」。こちらの設計を担当した黒田建築設計事務所の湖亀一登さんは、そのコンセプトを「魂の昇華」と語る。「内部の各室は上昇感をテーマとし、照明も石張りの床面はほの暗く、天井へ近づくほど明るく高くなっていくようにデザインしました」。この建物の特徴といえるのが屋根だ。建物全体を覆う、おおらかな曲線の大屋根。「ロケーション的にも屋根がポイントになる建物です。道路が建物より高い位置にあり、谷間になっているので、斎場の入り口に入ると、最初にこの屋根が見下ろせるようになっています」。
当初はシンプルに片流れの屋根を考えていたが、機能と内部形状と一致させていくなか、現在の大屋根のウェーブラインにたどり着いた。大庇(おおびさし)はかなりの緩勾配になっており、地上から見ると逆勾配に見えるほど。ただウェーブラインは、どうしてもゼロ勾配の箇所が出るため、雨仕舞いの点で不安があった。そして、谷の部分が雨漏りの原因になる可能性がある。「その時タイミングよく、ダイムワカイの営業の方が来られて、“パーフェクトルーフならR屋根頂部のゼロ勾配でも大丈夫です”と勧められたんです」もう一つ不安な点があった。斎場という施設は、高い静寂性が要求される建造物。金属屋根にすると雨音が気になる。それに関してはサンプルを用意して、水をかける実証実験をしてもらい、確証を得たうえで採用に至った。「三木市の関係者からは、2008年の竣工から一度も雨漏りもなく、雨音も響かず、快適に使われているとお聞きしています」。 パーフェクトルーフが採用されたのは、この案件が初めて。ここからお付き合いが始まり、現在はさまざまな案件に採用されている。有馬温泉では、湿気の多い浴場の屋根のフードの部分にパーフェクトルーフを使用。裏面としてイレギュラーな使い方ではあるが、これも水回りに対する信頼感があってこそ。機能を熟知した上でアレンジして使用されている。改めてパーフェクトルーフを選んだ理由についてうかがった。「いちばん気に入っているのは、雨仕舞いの安心感。それと屋根の形を選ばない点。それこそ裏面に貼ってしまえるぐらいですから。そういった用途の多い屋根材は他にない。これを使って変わったことをやりたいと思わせる、想像力を刺激する素材です」。